2018年の道交法の改正により、小型二輪AT免許は最短2日あれば、自動車学校を卒業することが可能になりました。
最短2日(例えば土日のみでも可能)での取得が可能になったことで小型二輪免許のバイク人口の増加も見込まれます。
ここではそんな「小型二輪(AT)免許」についてわかりやすく紹介していきます。
小型二輪AT免許のキホン
そもそも「小型二輪AT」ってどんな免許?
そもそも小型二輪AT免許とはどういった運転免許なのでしょう。
まず小型二輪AT免許で運転できるバイクの種類ですが、
となっています。通勤に便利なスクーターに乗りたいけれど、原付ではちょっと不便、といった場合に取得されることが多い免許になっています。
それでは小型二輪AT免許の適性条件についても見ていきましょう。
年齢・・・・・満16歳以上
視力・・・・・片目で0.3以上かつ両目で0.7以上
運動能力・・・四肢の運動能力が確認できること
となっています。この条件は普通二輪免許と同条件となっています。
小型二輪AT免許の規定時限数について
では今回の最短2日で修了が可能になった「普通免許→小型二輪AT」のコースですが、自動車教習所での規定時限はどのくらいになるのでしょうか。
- 技能の規定時限数:8時限
- 学科の規定時限数:1時限
- 合計 :9時限
となっています。普通→普通二輪コースが技能17時限のコースなので、比較してみるとかなり短いコースであるといえます。
「小型二輪AT」が短期で修了できるようになった仕組み
今回の改正になる前の最短スケジュール
小型二輪ATが9時限で取れるなら、無理すれば1日でも卒業できるんじゃない?
と思われた人もいるかもしれません。
しかし自動車教習所では、1日にできる技能教習に上限があります。
一段階(基本走行)については1日2時限 まで
二段階(応用走行)については1日3時限 まで
普通→小型二輪ATの場合の時限数の内訳は一段階3時限、二段階5時限となっているため、法改正前のルールでは最短でも以下のようになります。
※実際には4日目の教習と5日目の卒業検定は同日でも不可ではないため、最短4日での卒業も可能です。(ただし教習と検定の同日実施を行っていない場合が多いため、ここでは5日としました)
改正後の最短スケジュール
今回の道交法の改正では、一日に4時限までの教習が可能ということになりました(普通→小型二輪ATのみ)
最短日数でのスケジュールは以下のようになります。
これで最短2日間で小型二輪ATの免許が取得できるという訳です。
ただし表をみてわかるように、
- 一日4時限以上の技能教習が必要
- 二日目は教習を終えたのちにすぐ卒業検定(試験)
というハードなスケジュールになりますね。
小型二輪ATの免許改正について
小型二輪AT「のみ」が優遇された理由
今回の道交法改正でなぜ小型二輪ATのみが優遇されたのでしょうか?
これは125CCバイクの需要と関係があると推測されます。
交通機関が発達している都市部以外では、車やバイクでの通勤や通学が圧倒的に多いのが現状です。スクーターに乗ることができる小型二輪ATは通勤手段でもかなり有効な手段といえます。
原付や乗用車と比較すると
- 乗用車と比較すると圧倒的に燃費が良い(カタログ燃費50km超えも)
- 乗用車が渋滞していても問題なく走行出来る場合もある
- 原付と比べると最高速度が60kmとなっている
- 原付と違い、二段階右折が必要ない
特に燃費は環境問題、また渋滞については東京オリンピックなどの事もあり国を挙げて推進する理由もなんとなくわかりますね。
またバイク人口自体が少なくなってきていることに対するカンフル剤の意味もあるのかな、とも予想されますね。
小型二輪ATはある意味バイクの入り口なので、そこから普通二輪等が増えていく可能性も。
小型二輪ATを2日で取得できるメリットとデメリット
今回の小型二輪ATの取得が最短2日になったことのメリットは
・土日でも取得可能
・合宿の教習所にも行きやすい
・期間が短くなったことにより、教習所の料金も安価になる可能性
などが挙げられます。
逆に最短2日間になるデメリットとしては
・土日でも可能という事が前提となるため、補習等が発生した場合が大変
(土日しか通えない場合は週をまたぐ、合宿の場合は延泊となる)
・最短2日間ありきの教習、検定になる可能性もある。(未熟なまま卒業)
この流れが他の車種にも波及すれば・・?
今回の道交法の改正には賛否両論(実施前のアンケートでもいろんな意見が出た模様)ありますが、この免許取得のための日数短縮はいい流れだと思われます。
現在は普通車やトラックの免許でも上記で説明した技能教習の一日の上限(基本は2時限or3時限)は適用されます。
他の車種でも1日に2時限しかできないものが4時限できるようになれば半分の日程で取得することも可能です。
若者の免許離れ、人口の減少、トラック運転手の人手が足りないなどの免許問題を解消できるかも・・?
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