持っている免許証でどの位までのトラックに乗ることができる?
新しく入った社員に自社のトラックを運転させたいけど大丈夫なのか?
最近、免許更新したら準中型って書いてたから、大きなトラックも運転できるようになったのかなぁ?
といった
- 自分がどの位の大きさのトラックまでなら運転できるのか?
- 新しく入った社員はどこまで運転できるのか?
という疑問は皆さんの頭を悩ませていることでしょう。しかも最近では平成29年に準中型免許が出てきたことにより、さらに免許証の種類が複雑になっています。
ここでは免許証と車検証を確認することにより運転可能なトラックを確実に見分ける方法をご紹介していきます。
免許証の「乗車定員」「最大積載量」「車両総重量」
運転免許証の3条件
運転免許証でどんな車が運転可能かを見分けるには以下の3条件を確認する必要があります。
- 乗車定員
- 最大積載量
- 車両総重量
免許証はその種類によってこの3条件の数字がそれぞれ決まっています。注意すべき点として、この3条件は一部だけ満たしていればOKという訳ではなく、全て満たす車しか運転することができないのです。
ではその3条件についてそれぞれ説明していきます。
「乗車定員」
車にはそれぞれに乗ることができる人数の定員が決められています。その人数を乗車定員といいます。どんな大きさのトラックが運転可能かを判断する場合、実はこの乗車定員に関してはあまり気にする必要はありません。
何故かというと一番下位の運転免許でもある普通免許ですら乗車定員は10人以内となっています。トラックはもともと荷物を多く積むための車ですので、乗車定員は3~6人程度になっている場合が多いからです。
「最大積載量」
最大積載量とは、
トラックに積める荷物の重さは、車両総重量と車両重量などとの兼ね合いから、車両ごとに自ずと決まってきます。この積める荷物の最大の重さを「最大積載量」と呼んでいます。
※全日本トラック協会HPより
となっています。各トラックに乗せることができる荷物の最大の量ということですね。
いわゆる平ボディトラックはウイングボディトラックに比べると、もともとの重量が軽いため最大積載量は多くなる、などの特徴もあります。
「車両総重量」
車両総重量は、以下の計算により求められます。
車両重量が重いものであればあるほど、また最大積載量が多ければ多いほど車両総重量は多くなる、という計算になりますね。
免許証と車検証の見方
免許証の確認方法
普通免許と一言で言っても、取得した年月日によって以下の3つの種類に分けられます。
- 中型自動車免許(8t限定)
- 準中型自動車免許(5t限定)
- 普通自動車免許
この3つの免許証は取得するときには普通免許だったのに、その後の免許制度の法改正により名前が変わってしまったのです。
これについては以下の記事で詳しく紹介しています。
下記に免許の見分けかたの基準を抜粋しています。
平成19年5月31日までに取得した普通免許・・中型自動車免許(8t限定)
平成19年6月1日〜平成29年3月11日の間に取得した普通免許・・準中型自動車免許(5t限定)
平成29年3月12日以降に取得した普通免許・・普通自動車免許
ここで注意したいのは、
準中型自動車免許(5t限定)の人も免許更新をするまでは普通自動車としか免許証には載っていない、ということです。
準中型を含んだ免許制度は平成29年3月12日に変更されました。そこから免許更新や免許の書き換えなどの手続きを行っていなければ、免許証自体はそのままの普通自動車免許から変更されていないためです。
自分が持っているのが
- 準中型自動車免許(5t限定)
- 普通自動車免許
のどちらかわからない!という人は以下の記事でわかりやすい見分け方を紹介していますので、あわせて見てみて下さいね。
自分が中型8t、準中型5t、普通のどの免許を持っているかを確認できましたら、次のステップに進みましょう。今度はその免許で運転できる大きさを確認します。
※3つの免許で運転できるトラックの大きさ基準一覧表
普通 | 準中型5t | 中型8t | |
乗車定員 | 10人以下 | 10人以下 | 10人以下 |
最大積載量 | 2t未満 | 3t未満 | 5t未満 |
車両総重量 | 3.5t未満 | 5t未満 | 8t未満 |
乗車定員こそ同じ10人以下ですが、積載や重量に関しては
となっていることがよくわかると思います。つまり昔取得した普通免許であればあるほど大きなトラックを運転できるのです。
また何度も言っていますが、この3条件を全て満たした車両しか運転することができない、というのも忘れないでください。
特殊車両(ユニック車)などの場合は車両総重量のみがオーバーして条件を満たさないという場合もあります。誤って運転しないように気をつけて下さい。
車検証の確認方法
車検証の「乗車定員」「最大積載量」「車両総重量」はここをカクニン!
では続いて車検証で「乗車定員」「最大積載量」「車両総重量」を確認する方法を紹介していきます。
まず車検証の「車名」を見つけます。トヨタや三菱、マツダなどのメーカー名が書いてある場所なので比較的見つけやすいです。
その「車名」の右の欄が「乗車定員」その右に「最大積載量」さらに「車両重量」「車両総重量」という順番で一列に記載されています。
具体的に書くと、以下のような並びになっています。
車名 | 乗車定員 | 最大積載量 | 車両重量 | 車両総重量 |
○○ | ○人 | ○kg | ○kg | ○kg |
では実際に、具体的な車両の例で確認していきましょう。
具体例を用いて「免許証」「車検証」で比較してみる。
車名 | 乗車定員 | 最大積載量 | 車両重量 | 車両総重量 |
○○ | 6人 | 2,000kg | 2,710kg | 5,040kg |
これはいわゆる準中型トラックといわれるものです。では免許証の条件と比較してみましょう。
※下記の比較ではわかりやすいように重量をt(トン)ではなく、kg(キログラム)で表示しています。
普通自動車免許で運転できる?
乗車定員 | 最大積載量 | 車両総重量 | |
準中型トラック | 6人 | 2,000kg | 5,040kg |
普通自動車免許 | 10人 | 2,000kg未満 | 3,500kg未満 |
判定 | ○ | × | × |
となり、最大積載量、車両総重量ともにオーバーしているため運転することはできません。
準中型自動車免許(5t限定)で運転できる?
乗車定員 | 最大積載量 | 車両総重量 | |
準中型トラック | 6人 | 2,000kg | 5,040kg |
準中型5t | 10人 | 3,000kg未満 | 5,000kg未満 |
判定 | ○ | ○ | × |
となり、車両総重量がオーバーしているため準中型5t免許でも運転することはできません。
中型自動車免許(8t限定)で運転できる?
乗車定員 | 最大積載量 | 車両総重量 | |
準中型トラック | 6人 | 2,000kg | 5,040kg |
中型8t | 10人 | 5,000kg未満 | 8,000kg未満 |
判定 | ○ | ○ | ○ |
となり、全ての条件を満たしているため中型8t免許では準中型トラックの運転が可能です。
この準中型トラックは普通や準中型(5t限定)では運転できないということですね。
このような比較を行い、今持っている免許証で運転できるトラックなのかを確認していく必要があります。
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