平成29年3月12日に施行された臨時認知機能検査
平成29年3月12日に高齢者講習関連の法令が施行されました。
その法令の中でも、75歳以上のドライバーが一定の違反(基準行為)をおこなった際に受ける必要が出てくる臨時認知機能検査。
この臨時認知機能検査は高齢ドライバーにとって、意味も手続きも非常にわかりにくいものとなっています。
今回はこの臨時認知機能検査を受ける必要が出てくる18の違反(基準行為)についてまとめています。
政令で定める18種類の違反行為とは
臨時認知機能の対象となる違反行為は
- 信号無視
- 通行禁止違反
- 通行区分違反
- 横断等禁止違反
- 進路変更禁止違反
- しゃ断踏切立入り等
- 交差点右左折方法違反
- 指定通行区分違反
- 環状交差点左折等方法違反
- 優先道路通行車妨害等
- 交差点優先車妨害
- 環状交差点通行車妨害等
- 横断歩道等における横断歩行者等妨害
- 横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
- 徐行場所違反
- 指定場所一時不停止等
- 合図不履行
- 安全運転義務違反
となっています。
それぞれの違反行為について説明していきますね。
信号無視
信号無視はその名前のとおり、信号機の表示に反して通行することです。
赤信号を無視して進んだとき等に検挙されますね。
通行禁止違反
一方通行の出口からの進入や指定方向外への進行など、通行が禁止されている道路を通行した場合にはこの違反となります。
普段は自宅の近くしか走らない高齢ドライバーの人が、よく知らない道を走行するときなどに起こしやすい違反ですね。
通行区分違反
通行してはいけない場所を走ってしまった際の違反となります。
例:誤って歩道を走ってしまった場合など
横断等禁止違反
横断や転回が禁止されているところで、横断や転回をしてしまったときの違反です。
どちらかというと転回で検挙される場合が多いでしょうか?
進路変更禁止違反
右左折のレーンがある際に交差点の近くで黄色い線で区切られている場合があります。
この黄色い線を跨いで進路変更を行った場合にはこの進路変更禁止違反となる場合があります。
しゃ断踏切立入り等
名前の通り、線路の遮断機にかんする違反です。
しゃ断器が下りてくる際に車両が進入するとこのしゃ断踏切立入り等の違反に該当する場合があります。
しゃ断器が下り切った後に侵入するのは論外ですが、警報機が鳴り始めた時点でこの違反は該当するので注意が必要です。
交差点右左折方法違反
これはあまり該当する人はいなさそうですが、交差点の曲がり方に問題がある場合に検挙されます。
交差点を右折する際には交差点の中心のすぐ内側を曲がる、などのルールを覚えていますか?
これに反してみんなが交差点の中心ちょうどを曲がってしまうと、衝突事故になってしまいますよね。
こういった事故がおきないように右左折の方法が決まっているため、そのルールに違反してしまうとこの交差点右左折方法違反となってしまいます。
指定通行区分違反
通行禁止違反と名前が似ていますが、こちらは右左折などのレーンから違う動きをした際の違反です。
例:右折レーンにいたのに、やっぱり直進だった!といって真っすぐ進んでしまった場合
環状交差点左折等方法違反
環状交差点自体が日本ではそんなに数はありませんが、その環状交差点での左折方法を誤った場合の違反となります。
基本的には交差点右左折方法違反と同じようなイメージです。
例:環状交差点を出るさいに左に寄らず、交差点の中心を超えて左折した場合など
優先道路通行車妨害等
交通整理のされていない交差点(信号機がない等)で明らかに優先道路がわかる場合に、優先道路ではない道路を走っている車が徐行などを行わずに走行し、優先道路の走行を邪魔した場合にこの違反が適用されます。
交差点優先車妨害
交差点では直進車や左折車が優先で走行できる事となっています。
この直進車や左折車を右折する車が妨害する(先に行こうとして邪魔になる)違反となります。
環状交差点通行車妨害等
環状交差点(ラウンドアバウト)では環状交差点に侵入しようとする車よりも、環状交差点内を走行する車が優先となっています。
つまり、環状交差点に入りたい車が中を走っている車を妨害してしまう違反となります。
横断歩道等における横断歩行者等妨害
信号機のない横断歩道等では、歩行者>車両が原則です。
横断歩道で待っている(渡ろうとしている)人がいる場合に、気にせず通過してしまった場合にはこの違反に当たる可能性があります。
横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
横断歩道がない交差点でも、その直近においては歩行者が車両よりも優先となっています。
上記の「横断歩道等における横断歩行者等妨害」と同じく、交差点近くで歩行者を気にせず通過してしまった場合にはこの違反に当たる可能性がありますね。
徐行場所違反
徐行しなければならないと定められている場所(標識、見通しの悪い交差点など)で徐行をしなかった時の違反となっています。
指定場所一時不停止等
標識などで一時停止が定められている場所で、一時停止を行わなかった場合の違反となっています。
合図不履行
ずばりウインカーを適切に出さなかった場合の違反となっています。
けっこう合図不履行の人いますけどね。
安全運転義務違反
広義でいえば、安全に運転をすることを怠った場合の違反となります。
その内容は多岐にわたり、よそ見運転や無灯火運転、前方不注意などが当てはまります。
なぜ臨時認知機能検査は始まった?
従前の75歳以上の高齢ドライバーの免許制度では3年毎の免許更新とその際に認知機能検査+高齢者講習を行うという流れになっていました。
しかし認知機能は割と短期間で衰えることがわかり、3年毎の認知機能検査では間が空きすぎる、ということもありこの臨時認知機能検査は作られたようです。
上記で挙げた18の基準行為は認知機能の低下が原因で起こる可能性が他の違反に比べ多いため、違反を行った高齢ドライバーに対しては臨時認知機能検査が必要とされたいるんですね。
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