高齢ドライバーの「アクセルとブレーキの踏み間違い」事故が止まらない
最近ますますニュースで話題になっていますが、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題レベルになってきています。
その多くの原因は「アクセルペダル」と「ブレーキペダル」の踏み間違いによるものと予想されますが、その解決策はもはや高齢ドライバー本人では免許返納くらいしかありません。
もはや車両レベルで対策をしていかないといけない、というのが周知されてきています。この記事では「踏み間違い事故を防止する」対策グッズについてまとめて行こうと思います。
購入を考えている高齢ドライバーのかたは参考にされてくださいね。
アクセル、ブレーキ踏み間違い対策グッズのまとめ
ワンペダル(ナルセ機材)
ワンペダルは1つのペダルに足を置いたまま操作します。足を右に傾けるとアクセル。踏めばブレーキです。
※画像、文章はナルセ機材HPより
ワンペダルを作っているのは熊本にあるナルセ機材さんという会社です。
通常のAT車ではアクセルとブレーキの2ペダル方式になっているのに対し、ワンペダルは名前の通り1つのペダルでアクセルとブレーキを操作できる、というものになります。
考えられているなぁ、と思ったのは
- ペダルを踏み換える必要がないので、空走距離がほぼない
- アクセルを踏むのにコツがいる(右に傾ける)ため、とっさの時は必ずブレーキになる
ということですね。正直な話、一つのペダルで操作するのには違和感がありそうですが、慣れてしまいさえすれば問題なさそうです。
また突発的な急ブレーキを踏みたい時に、アクセルをベタ踏みするような事がないため、事故防止に非常に効果が期待できる装置だと思います。
また車の歴史で見ても、昔のMT車しかない時代は実質3ペダルが標準だったものが、AT車が当たり前になり2ペダルが標準になったのですから、ワンペダルでも問題はないように思えますね。
STOPペダル(ナンキ工業)
STOPペダルは埼玉県のナンキ工業さんが開発された商品となっています。
個人の踏み込みのストローク(移動量、強さ)を登録しておき、それを超えるストロークでアクセルを踏み込んだ際には、アクセルペダルがブレーキとして効くため、車両が暴走しないようなシステムとなっています。
特徴としては
- ペダル完結のため、障害物の有無は関係ない
- 通常の運転に違和感はない
- 踏み間違いを段階的に警告音などで知らせてくれる
ようなことが挙げられますね。またこの仕組みを聞いてまず思う疑問点、
高速道路の合流で思いっきりアクセル踏み込んだらストップして追突されないの?
という疑問に対しては、公式のHPで以下のように説明されています。
ユーザーが許容する急加速の程度(アクセルペダルの許容ストローク量)を、本装置が作動する閾値(アクセルペダルがブレーキペダルとして機能を開始する変換点)として、調整ネジを用いてあらかじめ設定(調整)します。
・アクセル踏み込みの許容ストローク量を事前に設定できるため、ドライバーの個人差(特徴)を配慮した作動条件を設定することが可能となります。
・このため、走行中において、事前設定(想定)以上の急加速をする状況となった場合、すなわち、アクセルペダルの踏み込みストロークが閾値を超えてしまった場合のみ、アクセルペダルはブレーキペダルとしての機能開始を準備します。
いくら高速道路の合流とはいえ、とっさの急ブレーキと同じ強さでアクセルを踏むことはまずないと思いますので、そのあたりの調整ができるのではないでしょうか。
ペダルの見張り番(オートバックス)
オートバックスが専用で売り出している急発進防止装置、それがこの「ペダルの見張り番」となります。
特徴としては
- 発進時などにブレーキとアクセルを踏み間違え、アクセルを強く踏み込んでも車が急発進しません。
- 後退時の踏み間違えによる急発進も抑制します。
- 軽自動車からミニバンまで、100 車種以上に幅広く対応しています。
- 1年間の交通事故傷害保険が付帯されます。
ということが挙げられます。
またブレーキオーバーライドシステム、という名称でアクセルとブレーキを同時に踏んでしまった場合にブレーキが優先されるというのも地味にありがたい機能です。
普通にブレーキとアクセルを同時にベタ踏みすればアクセルの方が力が強いのは一目瞭然ですので・・。
S-DRIVE「誤発進防止システム2」(サンオートモバイル)
誤発進防止システム2は、サンオートモバイルさんが開発され、現在ではイエローハットで取り扱いされている装置です。
特徴は以下となります。
- 運転者一人一人異なるペダルの踏み込み方を学習する機能を搭載することで、運転者に合わせた踏み込み方で作動します。
- ON・OFF切替えスイッチにより、使用しない時やアクセルを踏み込む必要のある坂道発進・高速道路等の急加速対応時、雪道・ぬかるみ等の路面抵抗が減少する時に、システムが作動しないようにすることができます。
- 実際の走行状況を基に踏み間違い事故を検証し、踏み間違いを起こしやすい速度範囲を作動範囲として設定しました。
停車時から0→8km/h、または巡航時から停車への速度16→0km/hの範囲で誤踏み(急なアクセルの踏み込み)をした際に、システムが作動します。- システムが作動するとニュートラル(ワイヤー車の場合はエンジンストップ)となるため、システムが作動したことを聴覚的・視覚的に確認できるよう、警告音とランプ点滅で運転者に知らせます。
システムが作動した際は、落ち着いて停車させてください。停車するとシステムは自動で解除されます。- サン自動車が取得した特許により、ほとんどのクルマに対応することができます。詳しくは適合表・またはインフォメーションセンターまでお問い合わせください。
他の装置と同じく、アクセルの急激な踏み込みを感知するシステムとなっています。他の装置と違う点は、踏み込みを感知するとブレーキがかかるのではなくニュートラル状態になるということでしょうか。
また装置のオンオフの切り替えが簡単にできるように設定(切り替えスイッチがある)されているのが良い点と言えますね。
アクセル、ブレーキ踏み間違い対策グッズ(メーカー純正)
上記で紹介したものとは別に、車メーカーからも後付けの純正踏み間違い対策グッズが出てきています。現在はトヨタとダイハツだけになっているようですが、これからは他メーカーも力を入れていく事が予想されます。
踏み間違い加速抑制システム(トヨタ)
サポトヨプラス、という運転サポート用品の一つとしてこの「踏み間違い加速抑制システム」が設定されています。
後付け純正用品ということで様々なトヨタの車に後付けすることができます。
- アクア
- アリオン
- スペイド
- ポルテ
- プリウス
- プリウスα
- プレミオ
- WISH
に取り付けすることができるとのこと(装備やグレードによっては取り付け不可能な場合もある)です。
システムとしては上記で紹介した他のシステムとは違い、超音波センサーにより障害物を検知し、警告と加速を抑制するような装置となっています。
間違って発進しようとしている前方・後方の約3m以内にある壁を計4個の超音波センサーが検知してシフトレバーの入れ間違いをブザーとランプで警告します。
更に間違って強くアクセルを踏んでしまっても加速を抑制してくれるので衝突の被害が軽減されます。
障害物がなくてもバック(後退時)は加速抑制が働くようです。
ペダル踏み間違い時加速抑制装置「つくつく防止」(ダイハツ)
ダイハツが作っている「つくつく防止」もトヨタと同じくセンサーによる加速防止システムです。作動条件は、
- 10km以下
- 約3m先までの壁
- 強く早くアクセルペダルを踏み込んだ場合
の3つとなっています。
カタログを確認する限り、こちらはトヨタのシステムとは違い、障害物がないと作動しないという仕様のようですね。
まとめ
4つの踏み間違い防止システムと2つのメーカー純正の後付けシステムをご紹介しましたが、この「踏み間違い防止」のシステムにのみ言えばメーカーより他の業者の方が進んでいるように感じました。
やはり「踏み間違い」に特化しているという点で一歩進んでいるのでしょう。また市町村によってはこの「踏み間違いシステム」に対して補助を出すというところも出てきています。
これから高齢ドライバーの事故を未然に防ぐというこのようなシステムが普及して行き、実際に事故が減って行くことを切に願います。
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