この記事に書いてあること
年々海外からの労働者や学生は増えています。しかしほとんどの自動車教習所は「外国語対応」が進んでいないのが現状です。その理由についてまとめています。
需要が増え続ける外国人の運転免許
ニュースでもよく取り上げられるように、外国人の移住者や労働者はどんどん増えていっています。コンビニや飲食店でも、日本人以外の人が働いているのを多く見かけるようになりましたね。
工場などでも、外国人労働者がいないとやっていけないというような会社も出てきています。そんな中よく悩みのタネとして耳にするのが、
あまり日本語が得意でない外国人労働者を雇ったけど、車の運転ができないと仕事にならない・・。
というものです。日本語がペラペラで、文章も読めるような人ならば普通に自動車教習所で免許をとってもらえばいい話なのですが・・。
ではこういった場合はどうすれば良いのでしょう。多くの人は近所の自動車教習所に以下のような問い合わせをします。
日本語がほとんどできない外国人に普通免許を取らせたいのですが、できますか・・?
ここで返ってくる答えはほぼ「NO」です。詳しくは「日常会話レベルの理解と日本語の読み書きができないと教習所に入るのも無理」というような回答になるでしょう。
ではなぜ「近所の自動車教習所」は外国語対応していないのでしょうか?
なぜ「近所の自動車教習所」は外国語対応していないのか
教官(教習指導員)の人数不足
運転免許統計(平成30年版)によると、
- 指定自動車教習所の数・・・・1,321校
- 教習指導員(教官)の数・・・31,494人
となっています。これから計算すると教習所1校当たりの教習指導員の平均人数は23.8人となります。関東の大規模な教習所や、合宿免許もある(100人を超える職員がいるところも)ため地方ではもっと平均の職員数は少ないと考えられます。
結局のところ、教習指導員の数が足りていないということです。仮に20人の指導員がいる教習所で、そのうちの1人を外国語の専任の指導員にするというのは中々難しい・・。
エリアが限定されていると外国語の需要も限られる
では仮に20人のうち1人を中国語がわかる指導員にしたとして、どれくらいの需要があるのでしょうか?実際のところ、需要はほとんどないと言えるでしょう。
そもそも自動車教習所というものは、その特性上お客さんのエリアが限定されています。(合宿免許除く)
みなさんも、普通免許を取るのに隣の県で取得しないですよね。
つまりその外国語のわかる指導員を雇っても、その教習所のエリア内(例えば市内)に外国人の免許取得者がどれくらいいるか、ということになります。よほどそのエリアに
- 外国人労働者を大量に雇用している企業がある
- 外国人が非常に多い大学がある
などの条件がない限りは、需要は限られてきてしまいます。つまり自動車教習所側からすると、大金を掛けて外国語専任の指導員を雇ってもメリットがほぼないのです。
外国の人が日本で教習所に通うなら「合宿免許しかない」
ここでは「なぜ近所の自動車教習所が外国語対応していないのか」についてまとめてきました。これを見て、
じゃあ外国人に運転免許を取らせるのは難しいのか・・
と思った人も多いと思います。しかし、上記で説明したのはあくまで「通学制」の教習所のことになります。
合宿免許では↑で説明した条件が全てクリアになっている教習所も多く存在します。例えば
- 教習指導員が100名以上いる教習所
- 外国の人を主に集客している教習所
特に合宿免許ではお客さんのエリアが限定されず、日本全国どの場所からでも教習生を集客することができます。もし合宿免許で中国語専任の教習指導員を雇った場合には、全国の中国人の免許取得希望者がお客さんになる可能性があるのです。
実際に通学制の教習所ではほぼ確認できませんが、合宿免許では〇〇語対応という教習所も多くみられます。また合宿免許では、教習所にかかるのも2週間程度と非常に短期間です。
近くの教習所でなかなか言葉もわからず「学科試験も受からないし、免許がいつとれるかわからない」という状態より、その期間中の仕事を休ませてでも早く運転免許を取らせたいという経営者も多くいるようです。
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