免許返納だけじゃない。高齢ドライバーの「3つの選択肢」をわかりやすく解説

「そろそろ免許を返納した方がいいのかな」「でも車がないと生活できない…」

高齢ドライバー本人も、その家族も、こんな悩みを抱えていることは多いと思います。

実は今、高齢ドライバーには「免許を返納する」か「そのまま運転を続ける」かの二択だけでなく、もう一つの選択肢があります。それが「サポートカー限定免許」です。

ここでは、免許返納の手続きや特典、サポートカー限定免許の内容まで、選択肢ごとにまとめて解説します。

目次

高齢ドライバーが選べる3つの選択肢

2022年5月の道路交通法改正により、高齢ドライバーの選択肢は次の3つになりました。

①これまで通り運転を続ける

普通免許をそのまま保持し、引き続き運転を続ける方法です。ただし75歳以上は免許更新時に認知機能検査と高齢者講習、さらに過去3年以内に一定の違反がある場合は運転技能検査(実車試験)が必要です。

②サポートカー限定免許に切り替える

運転できる車を「サポートカー(安全運転サポート車)」に限定する条件を免許に付ける制度です。2022年5月13日からスタートしました。免許証には「普通車はサポートカーに限る」と記載されます。

③免許を自主返納する

有効期限が残っていても、自分の意思で免許を返納できます。返納後は「運転経歴証明書」が交付され、公的な身分証として使えるほか、各種特典も受けられます。

サポートカー限定免許とは?

サポートカー限定免許は「免許返納の一歩手前」の制度です。運転に不安を感じているけれど、車がないと生活できない方に向けた新しい選択肢として注目されています。

サポートカーに搭載される安全機能

  • 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)

前方の障害物や歩行者を検知し、衝突の危険があると警報+自動でブレーキをかけます。

  • ペダル踏み間違い時の加速抑制装置

停車中や低速走行中に壁や障害物がある状態でアクセルを強く踏んでも、急発進を自動で防止します。

申請方法と注意点

  • 申請は免許の更新手続きと同時に行うことができます
  • 年齢制限はなく、運転に不安を感じる方なら誰でも申請可能
  • サポートカー以外の普通車を運転すると「免許条件違反」(反則金+違反点数2点)になります
  • 対象車種は警察庁のウェブサイトで確認できます

免許を自主返納するメリットと手続き

返納後にもらえる「運転経歴証明書」

免許返納後は申請により「運転経歴証明書」が交付されます。運転免許証と同じく顔写真付きの公的身分証明書として使えるため、「免許がなくなると身分証がない」という心配は不要です。

ただし、自主返納から5年以上経過すると交付を受けられなくなるため、早めに申請するのがおすすめです。

返納後に受けられる特典(65歳以上が対象)

  • タクシー・バスの運賃割引
  • デパート・スーパーの当日宅配サービス無料
  • 飲食店・エンターテインメント施設の割引
  • 自動車の買い取り価格の増額など

特典の内容は自治体・加盟店によって異なります。お住まいの都道府県警察のウェブサイトで確認してみてください。

2024年の返納状況:42万人超が返納

2024年の65歳以上の自主返納件数は42万7,914件で、前年より約4万5,000件増加しました。そのうち約6割を75歳以上が占めています。

一方で、サポートカー限定免許への切り替えはまだ取得者数が伸び悩んでいる状況です。制度の認知度向上が課題となっています。

まとめ:「返納か続けるか」だけじゃない

高齢ドライバーの選択肢を改めて整理すると次の通りです。

  • ①そのまま運転継続 → 75歳以上は認知機能検査・技能検査あり
  • ②サポートカー限定免許 → 安全機能付きの車のみ運転可。返納の一歩手前の選択肢
  • ③免許返納 → 運転経歴証明書+各種特典あり

「まだ運転できるが少し不安」という方にはサポートカー限定免許が、「もう運転は必要ない」という方には自主返納が向いています。ご本人とご家族でじっくり話し合いながら、最適な選択肢を選んでください。

※本記事の情報は2025年時点のものです。最新情報は警察庁や各都道府県警察のウェブサイトでご確認ください。

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